Japanese
English
綜説
小児の閉鎖麻醉について
General Anesthesia of Children using Closed Method.
藤本 憲司
1
,
島田 昌治
1
,
鴇田 脩一郞
1
,
黑河內 哲夫
1
,
信太 勇行
1
,
根本 金重
1
,
荒井 三千雄
1
Kenji FUJIMOTO
1
1東北大学整形外科
1Orthopedic Clinic, Tohoku Univ., Medical College
pp.235-241
発行日 1955年4月20日
Published Date 1955/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201596
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いとぐち
整形外科領域の手術では胸部手術などと異なり,成人ならば腰麻又は局麻でも十分無痛の目的を達せられることが多く全麻を絶体に必要とする場合は少いのであるが,幼小児を手術対象とする時は事情が異なり,たゞに無痛状態になしたのみでは十分でなく更に恐怖心を除去してやらなければならない.即ち特に小児の場合には精神愛護の見地から全麻の必要性が大きいのである.
従来小児の全麻法としては,エーテルの開放点滴法が多く行われており,この方法は操作も簡便であり安全性も高く,今日でも依然として小児麻酔の根幹をなすものではあるが,なおいくつかの欠点が指摘できる.即ち特有な刺戟臭のために暴れたり,一時的の呼吸停止をおこしたりすることがよく経験される所で,麻酔の導入にも時間がかかる.更にエーテル自身の作用に加えて,エーテルの蒸発時気化熱を奪われるために冷却した空気を吸入せねばならぬことにより,気管内分泌が亢進して気道の狭窄ないし閉塞の危険もあり,長時間施行するときは酸素欠乏症の発生も稀ではないと云われている.
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