診療室
産婦人科の麻醉について
藤井 久四郞
1
1東京醫科齒科大學
pp.335-337
発行日 1950年8月10日
Published Date 1950/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200379
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産婦人科の麻醉は他の領域と趣のちがう部分があり,實際上,重要な問題である.去る5月26日産科婦人科の東京地方部會ではこのテーマをめぐつて座談會が行われた.かなり意見の對立があつて活溌な討論が行われたが,それを通じて見られた日常の診療室の麻醉法のありさまを出席者以外の讀者諸氏にお傅えして參考に供したいと思う.
婦人科開腹手術の麻醉に腰麻醉を用いることについてはあまり問題はないが,完全にして長時間の麻醉を特に必要とする子宮癌の場合に,ナルコポン・スコポラミンなどの基礎麻醉を充分にしておく必要があるという岩田博士の説に對し,スコポラミンは變質していて危險なことがあるからスコポラミン劑は用いない方がよいとする安藤教授の意見がある.
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