Japanese
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綜説
強直性脊椎関節炎について
Spondyl-Arthritis Ankylopoetica
島田 昌治
1
,
荒井 三千雄
1
,
菊地 祐夫
1
1東北大学医学部整形外科教室
1Orthopedic Surgery, Tohoku, University School of Medicine
pp.349-355
発行日 1955年5月20日
Published Date 1955/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201616
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まえがき
脊椎運動の制限をきたす疾患は日常かなり多く存在するが,その中できわめて特種の位置をしめているのが強直性脊椎炎Spondylitis ankylo—poetica又は強直性脊椎関節炎Spondylarthritis ankylopoeticaである.
本疾患が全脊椎疾患に占める割合はSchmorl 0.1%,Bachmann 1.6%,Haenich 0.9%で,わずかにその1%内外をしめるにすぎないが,レ線像での脊椎形態はいわゆる竹状脊柱bambo—ospineを形威し,その完全強直は脊椎全域にとどまらず,四肢大関節もしばしば強直におとし入れてしまうことが特有とされる.四肢関節を侵襲する割合は,Geilingerによれば股関節61%,肩関節58%,膝関節44%,足関節41%,手関節18%,指関節19%,肘関節17%,顎関節17%の多きを算え,これによる機能障碍は脊椎によるものに劣らない,しかも本疾患は40歳前後,多くは30歳台の働きざかりの男子に多く,その病状の進行は患者の人生活動を次第に不能ならしめて行く.あまつさえ本症に対しては現在未だ適当なる治療法も判然としておらず,治療的予後はきわめて悪いとされている.
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