Japanese
English
綜説
チタン,ヂルコニウム,珪素,錫,銀等の組織反應に関する小見
Tissue reaction of titan, Dilconium, Silicon, Tin and Silver etc.
伊丹 康人
1
,
伊東 秦也
1
,
柳瀨 孝德
1
Yasuhito ITAMI
1
1慈恵会医科大学整形外科
1Orthopedic Surgery, Jikei Medicial College
pp.343-348
発行日 1955年5月20日
Published Date 1955/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201615
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結核性病巣の結合織性被包化や線維化は抗結核化学療法剤を投与しても急速に進展するものではなく,SM等の場合には結合織の増殖は結核性病巣の萎縮とは比例せず,却つて抑制される傾向さえみられる.特に骨病巣に対しては化学療法剤の影響は比較的軽微なものである.従つて化学療法下に骨病巣の切除術を施行して,一気に病勢を頓挫せしめる事は甚だ効果的療法といわねばならない.併し主病巣が除去されても残存病巣から再燃する危険性も多分にあり,又罹患肢の機能恢復という点では病巣週辺の高度の骨萎縮が後療法の上で障碍になる.斯る意味に於て病巣部並にその周辺に結合織の増殖,更に線維性肉芽の増殖を積極的に促進する何等かの方法が望まれる訳である.以上の目的の為には従来から骨移植等が盛に用いられているが,此等の移植骨は局所病巣の再燃により再び破壊される危険性がある.依つて斯様な場合にも破壊されない物質で,而も生体に悪影響を与えず線維化のみを促進するという目的に金属挿入という突飛な考えを導入して来たのが本実験の目的である.先ずチタン,ヂルコニウム,珪素,錫等の第四族金属と銀線を海猽の筋肉内に埋没して周囲の組織反応を検索し,更に海猽の人工関節結核の病巣内に挿入して同部の組織反応を観察したのでその概要を報告する.
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