Japanese
English
綜説
尿管S状結腸吻合手術例
Case of Uretero-Sigmoidostomy
橋本 昌武
1
,
渡辺 彰
1
Masatake HASHIMOTO
1
,
Akira WATANABE
1
1市立凾館病院外科
1Surgery of Hakodate Municpal Hospital
pp.333-334
発行日 1955年5月20日
Published Date 1955/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201613
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- Abstract 文献概要
尿管S状結腸吻合術は化学療法の進歩により最早や安全性を確保し,諸氏の報告例を見るが,元より主として膀胱癌の先行手術として行われたものが多い.余等は昭和26年以来5例の膀胱癌の外に膀胱多発性乳嘴腫,膀胱尿道瘻膀胱結核の各1例,計8例に対しKerr-Colby法で本手術を経験したので報告する.表示の如く自験8例中5例の膀胱癌では両側尿管S状結腸吻合と膀胱全別除の二手術を一次的に行つたもの3例(第2,4,5例)二次的に行つたもの2例(第1,3例)あるが,多発性乳嘴腫(第6例)及び外傷性尿道瘻と切開による恥骨上膀胱瘻の併有例(第7例)の2例には両側尿管S状結腸吻合のみで,膀胱には何等の手術操作を加えず,最後の第8例は左腎及び膀胱結核で既に2年4ヵ月前左腎剔出し,本年6月23日腹腔内膀胱自然破裂を来して来院,当時膀胱破裂縫合の救急手術を行い,9月22日即3ヵ月後に更めて残存右側尿管をS状結腸に吻合し,膀胱は其儘に放置したのである.而して以上8例中7例は吻合威功して治癒したが,1例(第4例)を失つた.然し本例は手術当日の死である故に死因は少くとも吻合不成功でない事は明白である.
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