Japanese
English
手術手技
尿管S状結腸吻合術
Uretero-Sigmoidostomy
宮崎 重
1
,
高崎 登
1
Shigeru Miyazaki
1
,
Noboru Takasaki
1
1大阪医科大学泌尿器科学教室
1Department of Urology, Osaka Medical School
pp.1101-1106
発行日 1982年12月20日
Published Date 1982/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203468
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はじめに
膀胱全摘除術後の尿路変更としてどのような術式が最適であるかはそれぞれの症例について判断しなければならない。尿管S状結腸吻合術の長所は外尿瘻がなくほぼ健康者と同様の生活を営むことができる点である。しかし,糞便混在の尿の逆流による上行性尿路感染や吻合部狭窄にもとづく腎機能の低下,尿成分の吸収による過塩素性アシドーシスの合併などの理由から,1950年代以降はあまり行われなくなつた。しかし,近年,化学療法の進歩,体液異常の検査と治療の簡易化,輸液療法の進歩,尿管・腸吻合術式の改良などによつて,これらの合併症は調節できるようになり,本術式が再び注目されるようになつてきている。尿逆流による上行感染や吻合部狭窄による水腎症は尿管腸吻合の手技によるところが多く,狭窄を来さずしかも逆流を防止しうる吻合法が望ましい。一般的には,逆流防止法としては粘膜下トンネル法による吻合が行われ,吻合部の狭窄防止法としては腸管と尿管とのmucosa to mucosaによる吻合が行われている。わが国では,その両者を兼ねそなえたLeadbetter法を行つている人が比較的多いようである。
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