症例
胸廓整形手術の血清アルギニンに及ぼす影響
伊藤 久
1
,
鈴木 武松
2
1昭和醫科大學生化學教室
2昭和醫科大學外科學教室
pp.362-364
発行日 1953年7月20日
Published Date 1953/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201266
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各種疾患或は外的素因に依つて血液中のアミノ酸が量的並びに質的に変動する事は既に各分野で認められ総ゆる角度から研究されて居るが外科的疾患或は動物実驗におけるアミノ酸窒素量の変化に就てはTayier & Lewis(1915)1)以来Pezecoller(1933)2),Lurje(1936)3),Engel(1915)4)等も既にその事実を認めて居る.余等は最近殊に重視されて来たヂアミノ酸の一つであるアルギニンをとりあげて,肺結核患者の胸廓整形手術前後の変化を観察した.
血液中のアルギニンに関する研究報告は極めて少いが,坂口(1925)5)がアルギニンのアルカリ溶液に2-ナフトール及び次亞塩素酸ソーダを加えた呈色反應を報して以来,各方面よりアルギニン定量法としての本法に就て注目される樣になつた.その後Weber(1930)6)がこの呈色反應の欠点を改良し,更に坂口(1948)7)がオキシンを使用してアルギニン定量法としての本法を完成した.余等はこの方法を用いて次の実驗を行つた.
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