発行日 1953年8月15日
Published Date 1953/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909389
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このような胸廓成形術の不幸な手術死亡例は,私共もいくたびか遭遇し,深刻な反省と共にその対策に努力したのでありますが,現在ではこのようなことは皆無に近い状態になつています。このような場合,一番注意すべきことは虚脱と呼吸不全です。
この症例の死因については,術後の看護や処置よりも何よりも第1に,手術そのものについて批判がむけられるべきで,その責任は勿論医師の負うべきものでありますから,看護の問題と少し離れますが,一応,この点について触れてみますと,手術量が過大ではなかつたかという点が第1の問題です。すなわち,1回の手術に第1から第6までの肋骨を一度に切除したこと,しかも第5第6肋骨が著しく長く切除してあることが目につきます。
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