外科と生理
その14
須田 勇
1
Isamu SUDA
1
1慶應義塾大學醫學部生理學教室
1Dept. Keio-Gijuku Univ. Medical Scbool
pp.733-735
発行日 1952年11月20日
Published Date 1952/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201152
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B.呼吸中枢全体としての自働性
Rosenthalの古典的な延髄の分離実驗からHeymans(1927)の喉頭神経のみを介して以外にに神経的な連りを持たぬ灌流脳髄丈でも喉頭筋に週期的な收縮が認められるという事実,Adrian(1931)の金魚の遊離脳幹から週期性の働作電流が得られるという有名な実驗などから,中枢全体としては,先ず,自働性と交代性があると考えるのが普通である.
問題は,その自働性が如何なる機序で発現し,その交代性が如何にして成立するかにある.この問題は生理学では極めて興味のある事柄であるが,一般論は若林勳の週期的興奮(生理学講座,中山書店)にゆずつて,こゝでは呼吸中枢に限つて,別の方面から覗つてみることにする.それは,週期性が神経細胞に由るものであるか,神経機構に拠るものであるか,という点である.
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