外科と生理
その9
須田 勇
1
Isamu SUDA
1
1慶應義塾大學醫學部生理學教室
1Physiological Dept. Keio-Gijuku Univ. Medical School
pp.96-98
発行日 1952年2月20日
Published Date 1952/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200980
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2:5 CO中毒
COとHbの結合に就いては,Peters and Van Sly—ke:Quantitative Clinical Chemistry,Williams&Wi—kins Comp.Baltimore,(1931)で詳しく論じられている.そこで,こゝれでは一つの典型として,この問題を取扱うことにする.Hbに対するO2とCOの親和力をaとし,夫々のガスの分圧をPco,PO2とすれば,COとO2に結合しているHbの量の比は
〔HbCO〕/〔HbO2〕=a×Pco/Po2 (1)
となる.aは人血38℃では210なる價を持つ.從つてCOとHbの結合状態は,O2とHbの解離曲線の酸素圧の價を210で割つた数値をCOの圧とすれば,そのまゝ当はまる.一方2:1に述べたように酸素とHbの結合はHill-Bareroftの公式
〔HbO2〕=K・〔Hb〕・〔O2〕n (2)
で示されるから,COとHbの結合も同樣に
〔HbCO〕=K・〔Hb〕・〔aO2〕n
となりO2とCOと共存する場合には
(〔HbO2〕+〔HbCO〕)/〔Hb〕=K (Po2+aPco)n (3)
となる.
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