最近の米國外科
長管骨の大なる分裂骨折片の脈管欠損性壊死,他
E. L. Compere
pp.493-495
発行日 1949年9月20日
Published Date 1949/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200529
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コンピァー氏は,大腿骨々頭が大腿骨頸部の関節嚢内骨折或は関節脱臼轉位によつて壊死に陷り,又小さい骨,例えば足根骨,手根骨の舟状骨或は月状骨,更に中足骨の末梢端の骨端部が無菌性壞死も起すが,これ等は何れも外傷後に続発する骨の無菌性壞死の最も通常認められる場所であることを指摘している.又Phemister氏は距骨体部が骨折或は骨折脱臼後に壞死に陷り,又長管骨もその分裂骨折に於て大なる骨片が壞死することを記述している.しかし長管骨骨幹部の外傷性壞死の臨床上の重要性は,從耒多数の整形外科医からは余り認められなかつた.
コンピアー氏は大なる長管骨の分裂骨折の定型的経過の症例報告をしている.大腿骨,脛骨,上膊骨或は前膊骨の何れか1つ骨が周囲の軟部組織より分離して,その結果血液を供給する栄養血管,骨幹端血管,骨膜血管が骨片から分離してしまうことがあるが,その樣な場合には分裂した骨片,時としてはその2つの大骨折片の両端がその生活力を失つて,そのままの自家移植骨片と同樣の状態になる.
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