Japanese
English
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余等の提唱する虫垂神經症に就て
On Appendical Neurosis which we would like to advocate
小堀 薰
1
,
高尾 義明
1
Kaoru Kobori
1
,
Yoshiaki Takao
1
1岡山醫科大學第一外科教室
pp.86-89
発行日 1949年3月20日
Published Date 1949/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200422
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緒言
私等は最近,高度なる胃障碍を主訴とし,蟲垂炎樣症状は何ら訴へず,腹部一般の詳細なる檢査により,該部に輕度の壓痛及び筋防禦を認め,蟲垂切除のみにより胃障碍が全然消失した2例を經驗した。手術時の所見として,蟲垂などその周圍臟器に,肉眼的には勿論,鏡檢的にも何ら炎症所見を認めず,單に壁内神經特殊染色法により,蟲垂壁内神經微細構造に著明なる變化を認め,之により蟲垂性胃障碍の原因を推定する事が出來た。
斯くの如く蟲垂に何等炎症々状を認めず,且高度の胃障碍を訴へた症例は,内外の文獻にもその報告は極めて少く,私等は本疾患を一獨立疾患として蟲垂神經症と稱するを至當と考へ,之を此處に報告して諸賢の御叱正を仰がんとするものである。
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