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余等の考案せる尿中スギワロンの簡易比色定量法に就て
中村 家政
1
,
松原 英賢
2
,
雲林 院徹
2
1熊本大學醫學部皮膚泌尿器科教室
2國立熊本病院,藥劑科
pp.421-423
発行日 1952年9月1日
Published Date 1952/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200788
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I.緒言
周知の通り尿中のスギウロン定量法はその操作が相當複雑で臨床検査法としては殆んど顧みる者もない現状であるが,この煩雑な化學操作さえなんとか解決出來たならその利用價値は決して輕視出來ないと思う。即ち本試験を排泄性腎盂撮影法に應用して時間的に尿中スギウロンを測定すれば撮影と同時に或る程度腎機能の良否も窺知出來るし,吾人が屡々その判定に窮する兩腎缺像の如きも操作の不備に因るものとは明かに鑑別されると思う。又この検査を一應撮影と切離して獨自の立場で定量を行い,尿中スギウロンの排泄状態を更に精細に觀察するときは腎機能検査法として殊に排泄性腎盂撮影術に際して最も適切な補助診斷法となる。
吾々は以上の想定の許に昨年來その定量法の改善に努力して來たが,最近漸く理想に近い一定量法を考案したので茲に大要を述べ諸賢の御批判を仰ぎたい。
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