論説
鼻性視神經炎に就て
福武 豊次
1
,
水河 忠敬
1
1岡山醫科大學耳鼻咽喉科教室
pp.160-163
発行日 1948年8月1日
Published Date 1948/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492200083
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副鼻腔と眼窩とは互に密接なる解剖的關係を有し、副鼻腔疾患に際し往々にして種々なる眼窩内合併症を招來する事あるは周知の事實にして、此等眼窩内合併症中吾々耳鼻科醫の特に注意を要するは所謂鼻性視神經炎なり。余等は最近本症の6例を經驗せり。本症については既に多數の報告をみる所にして、さまで珍らしきものには非ざるも、各症例の病歴、診斷に至りたる經過等を回顧するに吾人の注意すべきもの尠からざるを覺ゆるが故に其の大略を報告せんとす。
第1例 10歳の男子。初診昭和 13年11月21日。主訴 然突起りたる兩眼疾明。現病歴 11月8日に頭痛と共に兩眼視力減退を來たし翌19日には兩眼全く失明したるにより22日岡山醫科大學眼科教室を訪れ、鼻性視神經炎ならんとて副鼻腔檢査を依頼され來院す。
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