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ヘルニアと誤診され易い靜脈瘤の2例
小林 忠
1
,
梅村 義治
1
1慶應義塾大學醫學部外科學教室
pp.429-431
発行日 1948年11月20日
Published Date 1948/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200383
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緒言
静脈瘤は主として表在性に起るが,稀には深部にも發生することがある。殊に股部,鼠蹊部等に生じた場合には,ヘルニアとの鑑別が必要になつて來る。吾が慶大外科教室に於ても,最近鼠蹊部に生じた子宮圓靱帶靜脈瘤を鼠蹊ヘルニアと診斷し,手術に於て初めてその誤りであることを知つた1例と,股ヘルニアとして送られて來たが,その下肢に著明な靜脈怒張を認めたので大薔薇靜脈瘤による腫瘤との豫想の下に手術して之を確め得た1例に遭遇した。後者の報告例は決して少くないが,前者は文獻にも稀なもので,此所に報告する次第である。
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