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靜脈瘤性症候群に就て
山形 志乃武
1
,
林 肇
1
,
河邊 八郎
1
1京都府立醫科大學皮膚泌尿器科教室
pp.141-144
発行日 1951年3月1日
Published Date 1951/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200483
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緒言
靜脈瘤性候群とはVarix(主としてV. saphemaに起つたもの)に隨伴して出領域に現われる皮膚の病變であつて,Arzt-Zielerの成書によれば何等かの原因により靜脈に變化を來たし,(1)Phlebektasie und Varixを惹起し,之を基盤にして其上に發生せる(2)Stauungsdermatosen及び(3)Ulcus crurisを總稱して呼ばれた名稱である。
抑々靜腿瘤に關する記載は古くギリシヤ時代にさかのぼり,Hippokratdsの時既にHaemorr-hoidの發生を報じてをり其後解剖學の進歩と共に其病現も次第に明かにされて來た。而し靜脈瘤に併發乃至續發する種々の障碍乃至病變に關しては永く放置されたものゝ如くで,19世紀に至り漸く其業蹟が現われ始めた。夫はDavats (1833), Bonnets (1839), Langiers (1842), Virchow等の功蹟であり,就中Postvarikösen Dermatosen の研究はAlibert, Rayers (1835), Cazenaves, Devergie (1846), Bazin, Hebra等の諸氏により行われた。更にUlcus crurisに關してはHunterに負う所が大である。
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