特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 2
【System 1─電光石火の感染症snap diagnosis編❶】
案じたら刺すが易し
髙增 英輔
1
,
綿貫 聡
2
1東京都立多摩総合医療センター リウマチ膠原病科
2東京都立多摩総合医療センター 救急・総合診療センター
キーワード:
化膿性関節炎
,
関節穿刺
,
関節液評価
,
淋菌性関節炎
Keyword:
化膿性関節炎
,
関節穿刺
,
関節液評価
,
淋菌性関節炎
pp.912-915
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200356
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
血流感染を背景として左膝の化膿性関節炎を呈した一例
患者:70歳,男性.
現病歴:3週間前よりの悪寒戦慄を伴った発熱,2日前よりの左膝関節痛を主訴に救急車で来院.身体所見上では,口腔内に複数のう歯があり,眼瞼結膜には出血斑,心尖部を中心とした収縮期雑音を認めた.左膝関節には可動域制限,熱感・腫脹を認めており,左膝関節穿刺にて膿性の関節液が確認され,グラム染色にてグラム陽性球菌が確認された.また,同日施行された経胸壁心臓超音波検査では,僧帽弁逸脱症に加えて,同部位に疣贅の付着が認められた.
僧帽弁逸脱症を背景とした「感染性心内膜炎」,血流感染による「左膝化膿性関節炎」が疑われ,整形外科コンサルテーションとなり,同日に緊急で外科的ドレナージが施行された.血液培養3セットから緑色連鎖球菌が検出され,感染性心内膜炎については抗菌薬加療が行われた.経過中に弁膜症の進行を認め,最終的には心臓血管外科にて生体弁置換術が施行された.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.