Japanese
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臨床報告
ENBD catheterを用いた内視鏡的ドレナージが奏効した十二指腸傍乳頭憩室後腹膜穿孔の1例
A case of duodenal diverticulum perforation treated by endoscopic drainage using an ENBD catheter
橋本 恭弘
1
,
佐藤 雅之
1
,
吉岡 晋吾
1
,
冨田 昌良
1
Akira TOMITA
1
1糸島医師会病院外科
キーワード:
十二指腸傍乳頭憩室
,
後腹膜穿孔
,
非観血的治療
Keyword:
十二指腸傍乳頭憩室
,
後腹膜穿孔
,
非観血的治療
pp.112-116
発行日 2014年1月20日
Published Date 2014/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104919
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要旨
患者は36歳,女性.激しい上腹部痛を主訴に当院を受診した.理学的所見では右季肋部に腹膜刺激症状を伴う圧痛を,血液検査では高度炎症反応を認めた.CT検査および側視型内視鏡による造影検査にて,十二指腸傍乳頭憩室後腹膜穿孔・後腹膜膿瘍と診断した.膿瘍が限局性であることから,抗菌薬による保存的治療を施行した.しかし,改善傾向が乏しいため,内視鏡的に憩室内穿孔部を経由して膿瘍腔内に6Fr ENBD catheterをドレナージチューブとして留置し,排膿治療を行い治癒しえた.十二指腸傍乳頭憩室穿孔により形成された膿瘍腔は,経皮的ドレナージでは部位的に困難であり,開腹ドレナージ術などの観血的治療を行う報告が散見される.また,しばしば高侵襲手術を要することもある.しかし,本治療手技は比較的低侵襲な非観血的治療法であり,今後本疾患に対する治療法の1つとして検討する価値があると考えられた.
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