Japanese
English
特集 胆管カニュレーション―基本から困難症例まで―
[解剖学的困難症例への対処]
傍乳頭憩室・憩室内乳頭症例に対するアプローチ
Biliary cannulation in cases with periampullary diverticula or intradiverticular papilla
熊野 良平
1
,
石川 卓哉
1
,
山雄 健太郎
1
,
水谷 泰之
1
,
飯田 忠
2
,
植月 康太
1
,
高田 善久
1
,
青井 広典
1
,
南 喜之
1
,
川嶋 啓揮
1
Ryohei Kumano
1
,
Takuya Ishikawa
1
,
Kentaro Yamao
1
,
Yasuyuki Mizutani
1
,
Tadashi Iida
2
,
Kota Uetsuki
1
,
Yoshihisa Takada
1
,
Hironori Aoi
1
,
Yoshiyuki Minami
1
,
Hiroki Kawasima
1
1名古屋大学大学院医学系研究科消化器内科学
2名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部
キーワード:
ERCP
,
憩室内乳頭
,
牽引クリップ法
Keyword:
ERCP
,
憩室内乳頭
,
牽引クリップ法
pp.1304-1308
発行日 2024年9月25日
Published Date 2024/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001585
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はじめに
ERCPは十二指腸乳頭部を正面視し視野を確保することが手技を行ううえで重要である。しかし,傍乳頭憩室や憩室内乳頭が存在する症例では,ERCPにおける胆管挿管が著しく困難となる場合がある。その理由として,乳頭の位置や向きが非典型的でありカテーテルを乳頭に向けることが困難である点や,胆管と走行があわずに挿管できないといった点があげられる。近年,平均寿命が延び,高齢者が増えるにつれて傍乳頭憩室や憩室内乳頭の発生率が高くなってきている。このような乳頭への胆管挿管困難を克服するため,さまざまな技術的アプローチや処置具の改良が試みられてきた。今回,これまでに報告されてきた憩室内乳頭に対する代表的な挿入方法を紹介するとともに,そのなかで牽引用デバイスとクリップを用いて胆管挿管を試みる方法(以下,牽引クリップ法)について言及し,実際に牽引クリップ法を行った症例を紹介する。
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