Japanese
English
臨床報告
自己グリセリン浣腸を契機とした直腸穿孔に対して非観血的治療で軽快した1例
Nonsurgical treatment after rectal perforation in self-initiated glycerin enema: a case report
土屋 康紀
1
,
岡本 政広
1
,
東山 考一
1
,
塚田 一博
2
Yasunori TSUCHIYA
1
1あさひ総合病院外科
2富山大学大学院医学薬学研究部消化器・腫瘍・総合外科
キーワード:
グリセリン浣腸
,
直腸穿孔
,
非観血的治療
Keyword:
グリセリン浣腸
,
直腸穿孔
,
非観血的治療
pp.125-129
発行日 2010年1月20日
Published Date 2010/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102943
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要旨:今回,われわれはグリセリン浣腸(GE)・摘便による直腸穿孔に対して非観血的治療を選択した1例を経験したので,若干の文献的考察も加えて報告する.患者は58歳,女性.既往歴に特記すべきことはないが,普段から便秘傾向にあった.患者自身でGE(60ml)および摘便を施行した.以後,腹部膨満と腹痛の継続に加え,発熱・血尿を認めた.翌日に当科の外来を受診し,GEによる直腸穿孔と診断されて入院となった.入院時の身体・検査所見ではsystemic inflammatory response syndromeの診断基準を満たしていた.CTでは右側の直腸の外側のみにfree airと脂肪織濃度上昇を認め,下部消化管内視鏡検査では肛門縁より約5cmに損傷部位を認めた.触診でも圧痛部位は局所のみで軽度であり,絶食・抗生剤で経過観察することとした.翌日には発熱は軽快し,翌々日には局所の圧痛も消失した.以後の経過は良好であり,4か月が経過した現在も遺残腫瘍は認めていない.
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