Japanese
English
臨床報告
肝鎌状間膜裂孔ヘルニアの1手術例
A case of internal hernia through a defect of the falciform ligament:a case report
小西 健一郎
1
,
小林 隆
1
,
塩入 貞明
1
,
陶山 雅子
1
,
川上 雅代
1
,
安野 正道
1
Kenichiro KONISHI
1
1東京都立広尾病院外科
キーワード:
肝鎌状間膜裂孔ヘルニア
,
内ヘルニア
Keyword:
肝鎌状間膜裂孔ヘルニア
,
内ヘルニア
pp.117-120
発行日 2014年1月20日
Published Date 2014/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104920
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要旨
患者は胃切除術の手術歴のある64歳,男性.上腹部痛・嘔吐を主訴に当科を受診した.腹部CT検査で肝表面に拡張した小腸を認め,術後癒着性イレウスと診断した.保存的治療を開始したが腹部症状は改善せず,開腹手術を施行した.術中所見で肝鎌状間膜の異常裂孔への小腸の陥入を認め,内ヘルニアと診断した.陥入した小腸を用手的に整復し,裂孔部を縫合閉鎖した.われわれが調べた範囲では,肝鎌状間膜裂孔ヘルニアの本邦報告例は8例で,7例が先天的な異常裂孔によるものと報告されている.しかし,自験例は以前の胃切除術の際に肝鎌状間膜に異常裂孔を認めておらず,肝鎌状間膜裂孔ヘルニア症例ではきわめて珍しい1例と考えられたので,報告する.
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