Japanese
English
臨床報告
術前に小腸・膀胱嵌頓を診断しえた鼠径ヘルニアの1例
Contrast computer tomography on excretion phase was helpful in diagnosing an inguinal hernia from which the bladder and bowel were prolapsing:a case report
森田 洋平
1
,
山本 雅由
1
,
山田 圭一
1
,
永井 健太郎
1
,
奥田 洋一
1
Yohei MORITA
1
1筑波メディカルセンター病院消化器外科
キーワード:
膀胱ヘルニア
,
造影CT
,
鼠経ヘルニア
Keyword:
膀胱ヘルニア
,
造影CT
,
鼠経ヘルニア
pp.1501-1504
発行日 2013年12月20日
Published Date 2013/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104882
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要旨
患者は82歳,男性.60歳台から右鼠径部の腫脹を自覚していた.2012年,右鼠径部の腫脹が増悪し,疼痛を伴ったため救急外来を受診した.右鼠径ヘルニア嵌頓と診断し,造影CTを撮影した.嵌頓した小腸を認め還納し,一部還納できなかったが疼痛は改善した.再度単純CTを撮影したところ,小腸は還納されていたが,造影剤が充満した膀胱が嵌頓していた.待機的に手術したところ,内鼠径ヘルニアであった.術後第3病日に退院した.膀胱ヘルニアは稀で,下部尿路障害の精査で偶然発見される例が多い.自験例では小腸と膀胱の同時嵌頓であり,排泄相のCT撮影により残存した膀胱ヘルニアを術前診断でき,排泄相でのCT撮影が有用である可能性が示唆された.
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