特集 術前画像診断のポイントと術中解剖認識
Ⅱ.胃・十二指腸
GISTを含む粘膜下腫瘍
髙橋 剛
1
,
瀧口 修司
1
,
黒川 幸典
1
,
中島 清一
1
,
森 正樹
1
,
土岐 祐一郎
1
Tsuyoshi TAKAHASHI
1
1大阪大学大学院医学系研究科外科学講座消化器外科学
pp.76-81
発行日 2013年10月22日
Published Date 2013/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104789
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
粘膜下腫瘍を病理組織学的に確定診断することはしばしば困難である.そのため,粘膜下腫瘍の診断がなされた症例では,画像診断に基づき,良悪性を含めた鑑別診断が必要となる.鑑別すべき疾患は,①消化管間葉系腫瘍(GIST,平滑筋腫,平滑筋肉腫,神経鞘腫,脂肪腫,脂肪肉腫,血管腫,グロームス腫瘍,リンパ管腫),②リンパ腫,③先天性腫瘤(異所性膵,消化管重複症),④粘膜下腫瘍の形態をとる上皮腫瘍(カルチノイドや未分化癌)が挙げられる.
精査には,超音波内視鏡検査(EUS),さらに超音波内視鏡下穿刺生検(EUS-FNAB),CT検査が行われる.その結果,GISTを含む悪性疾患と診断される際には治療が行われる.
以下,GISTを念頭に置いて,その治療を,特に画像所見を中心に述べる.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.