特集 術前画像診断のポイントと術中解剖認識
Ⅱ.胃・十二指腸
十二指腸腫瘍
山田 豪
1
,
小寺 泰弘
1
Suguru YAMADA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学
pp.82-86
発行日 2013年10月22日
Published Date 2013/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104790
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はじめに
近年,上部消化管内視鏡検査などのスクリーニング検査の増加に伴い,早期病変を含めた十二指腸腫瘍の頻度は増加傾向にあるといえる.十二指腸腫瘍としては,十二指腸乳頭部癌をはじめ,原発性十二指腸癌,Brunner腺由来の腫瘍,gastrointestinal stromal tumor(GIST),内分泌腫瘍などが挙げられる.これらの十二指腸腫瘍に対する外科的切除としては,十二指腸の解剖学的特性だけでなく,特に原発性十二指腸癌では取扱い規約やUICCのTNM分類が存在しないなどの理由もあり,個々の症例に対する適切な対応が必要とされる.
一般的には,十二指腸における進行癌症例に対しては,膵頭十二指腸切除術(PD)が標準術式として選択される.低悪性度病変,粘膜下層までにとどまる早期癌症例に対しては,膵温存十二指腸切除術などを含めた縮小手術の適応も考慮される.
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