特集 外科医のための癌診療データ
臓器別最新データ
3.乳癌
乳癌の疫学
神保 健二郎
1
,
木下 貴之
1
Kenjiro JIMBO
1
1国立がん研究センター中央病院乳腺外科
pp.66-71
発行日 2012年10月22日
Published Date 2012/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104294
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覚えておきたいデータ
◆欧米諸国では乳がんの罹患率は漸増しているが,死亡率は1990年代から減少に転じている.一方で,日本においては,罹患・死亡率ともに年々増加傾向にある.
◆日本におけるマンモグラフィ検診受診率は,欧米の70~80%に比べ,20%程度と低い.このことが,日本の乳がん死亡率が低下しない理由の1つとして挙げられる.
◆日本における乳がん発生年齢は45~49歳,60~64歳と2峰性のピークがあり,閉経前乳がんの比率が欧米諸国に比べ高い.しかし,今後閉経後乳がんが増加し,欧米に年齢分布も近づくと予測されている.
◆全乳がんの5~10%が遺伝子異常に伴って発症するといわれており,家族性乳がんのうち20~30%はBRCA1/2遺伝子異常(変異)が関与している.
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