特集 外科医のための癌診療データ
臓器別最新データ
2.肺癌
非小細胞肺癌の非切除・再発例
多田 弘人
1
Hirohito TADA
1
1大阪市立総合医療センター呼吸器外科
pp.62-65
発行日 2012年10月22日
Published Date 2012/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104293
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
覚えておきたいデータ
◆非切除例の治療法と治療成績:放射線治療可能な症例は,可能な限り放射線と化学療法の同時併用療法が選択される.その成績は中間生存期間(MST)が約27か月である.放射線治療不能な集団については可能ならばプラチナを含む多剤併用化学療法が推奨され,そのMSTは約13か月とされている.ただし,非小細胞肺癌のなかでEGFRに遺伝子変異がみられる症例では化学療法とEGFRチロシンキナーゼ阻害薬を投与するとMSTが約27か月である.
◆術後フォローアップの方法:一般的に術後の経過観察は当初の2年間は6~12か月ごとの診察とCT検査,その後の3年間は1年ごとの診察とCT検査が推奨されている.
◆再発時期・再発部位:完全切除された症例は多くの場合2年以内に再発することが知られている.多いのは術後9か月目と2年目,4年目といわれている.しかし,5年以降に再発することも稀ではない.
◆再発後の治療法と治療成績:原則的に再発後の治療は非切除例と同様である.原病巣がコントロールされている,単発の再発転移例に対して根治を目的とした局所治療は予後を改善する.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.