講座
乳癌の疫学
平山 雄
1
1国立公衆衛生院疫学部
pp.16-23
発行日 1956年11月15日
Published Date 1956/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910231
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.乳癌の年次的消長
日本における乳癌死亡の年次的な趨勢を観察して見ると,死亡実数では子宮癌が1910年5226名,1950年8783名と,1.68倍の増加であるが,乳癌では,夫々437名,1419名で,3.25倍と,その増加傾向が著しく大きい。死亡率から見ても,子宮癌では1910年,1950年共に21.0前後で年次による変動が認められないのに対し,乳癌では夫々1.8,3.4と,その間に1.89倍と増加している。(第1表)乳癌のこの増加傾向は,年令階級別に分けて観察しても同様である。(尚,最も新しい乳癌死亡の数字は,昭和29年の1552名である。)
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.