Japanese
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臨床報告
腹腔動脈起始部圧迫症候群の術前診断で,術中肝血流測定によって膵頭十二指腸切除術を安全に施行した膵頭部癌の1切除例
A case of successful pancreaticoduodenectomy in a patient with celiac artery compression syndrome:Effectiveness of hepatic arterial flow monitoring
野島 広之
1
,
高野 重紹
1
,
大塚 将之
1
,
木村 文夫
1
,
清水 宏明
1
,
宮崎 勝
1
Hiroyuki NOJIMA
1
1千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学
キーワード:
腹腔動脈起始部圧迫症候群
,
膵頭十二指腸切除術
,
術中血流測定
Keyword:
腹腔動脈起始部圧迫症候群
,
膵頭十二指腸切除術
,
術中血流測定
pp.414-417
発行日 2012年3月20日
Published Date 2012/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104006
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要旨
膵頭十二指腸切除術(PD)を施行する際には胃十二指腸動脈(GDA)を切離することから,腹腔動脈から総肝動脈を介した肝血流保持がきわめて重要であり,GDA遮断後の肝血流量の確認が重要である.今回,腹腔動脈起始部圧迫症候群を伴った膵頭部癌で術中肝血流測定によってPDを安全に施行した1切除例を報告する.患者は67歳,男性.膵頭部癌の診断で,血管立体構築画像で腹腔動脈起始部狭窄および膵アーケードの発達を認めた.開腹時に総肝動脈は遠肝性,GDAから固有肝動脈は求肝性で,固有肝動脈はGDAをクランプすると著明な血流の減少を認めた.正中弓状靱帯の切離後,総肝動脈は求肝性で大幅な血流の増加を認めたため,GDAを切離してPDを施行した.
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