Japanese
English
特集 肝脂肪沈着の病態と画像
肝脂肪沈着の臨床
膵頭十二指腸切除術後の脂肪肝
Fatty Liver After Pancreaticoduodenectomy
平井 一郎
1
,
水谷 雅臣
1
,
森谷 敏幸
1
,
渡邊 利広
1
,
菅原 秀一郎
1
,
木村 理
1
Ichiro HIRAI
1
,
Masaomi MIZUTANI
1
,
Toshiyuki MORIYA
1
,
Toshihiro WATANABE
1
,
Shuichiro SUGAWARA
1
,
Wataru KIMURA
1
1山形大学医学部消化器・一般外科
1Department of Gastroenterological and General Surgery, Yamagata University
キーワード:
脂肪肝
,
膵頭十二指腸切除術
,
糖尿病
,
膵外分泌機能
,
経腸栄養
Keyword:
脂肪肝
,
膵頭十二指腸切除術
,
糖尿病
,
膵外分泌機能
,
経腸栄養
pp.71-76
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100011
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要旨
膵頭十二指腸切除術後の脂肪肝発症には種々の原因が関与する.Blind loop syndromeでは細菌の増殖と脂肪吸収障害が起こる.短腸症候群に類似した吸収不良(特に蛋白質)により,リポ蛋白の産生低下が生じ,肝からの脂肪輸送障害が起こる.
術後早期の摂取カロリーや投与インスリン量が少ない症例が脂肪肝となるため,インスリンの適切な投与で,脂肪肝が軽快すると考えられる.
栄養サポートチームで検討しながら,術後早期からの経腸的栄養が脂肪肝の予防に重要である.
術後長期経過しても脂肪肝症例は総蛋白や総コレステロール値が有意に低く,術後長期間にわたるアミノ酸製剤や蛋白補助栄養剤などによる栄養管理も重要である.また膵消化酵素剤の投与が有用である.
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