Japanese
English
臨床報告
スキルス胃癌上に併存した有茎性高分化型管状腺癌によってball valve症候群をきたした1例
A case of ball valve syndrome due to well-differentiated pedunculated tubular adenocarcinoma located on gastric scirrhous carcinoma
岩﨑 渉
1
,
小棚木 均
1
,
武藤 理
1
,
里吉 梨香
1
,
吉楽 拓哉
1
Wataru IWASAKI
1
1秋田赤十字病院外科
キーワード:
スキルス胃癌
,
多発胃癌
,
ball-valve症候群
Keyword:
スキルス胃癌
,
多発胃癌
,
ball-valve症候群
pp.121-124
発行日 2012年1月20日
Published Date 2012/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103923
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要旨
スキルス胃癌上に高分化型腺癌が併存し,その有茎性の癌腫によってball valve症候群をきたした1例を経験した.患者は77歳,女性.食事時の心窩部膨満,嘔吐,腹痛を主訴とし,スキルス胃癌,癌性腹膜炎,十二指腸内腫瘤による幽門狭窄と診断された.患者の希望もあって胃全摘術を施行した.切除標本ではスキルス胃癌および小彎上に多発する隆起性病変を認め,その隆起性病変は病理組織学的に高分化型管状腺癌であった.幽門上の有茎性癌が十二指腸に脱出してball valve症候群をきたしたと判断された.スキルス胃癌に幽門狭窄を伴って認める場合でも,ほかの要因によって幽門狭窄が生じることを念頭に置いて精査・治療する必要がある.
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