Japanese
English
臨床報告
穿刺吸引細胞診で診断しえた乳腺腺様囊胞癌の1例
A case of adenoid cystic carcinoma of the breast diagnosed by fine needle aspiration cytology
佐藤 雄
1,2
,
古川 義英
1
,
長澤 雄大
1
,
大竹 徹
2
,
鈴木 眞一
2
,
竹之下 誠一
2
Yu SATOH
1,2
1太田綜合病院附属太田熱海病院外科
2福島県立医科大学器官制御外科
キーワード:
腺様囊胞癌
,
乳癌
,
穿刺吸引細胞診
Keyword:
腺様囊胞癌
,
乳癌
,
穿刺吸引細胞診
pp.267-270
発行日 2012年2月20日
Published Date 2012/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103962
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
乳腺の腺様囊胞癌は稀で,特徴的な細胞像を有する.今回,術前の穿刺吸引細胞診で診断しえた乳腺腺様囊胞癌を経験したので報告する.症例は50歳,女性.右乳房に硬結を触知し,マンモグラフィおよび超音波検査では充実性の腫瘤として認められた.穿刺吸引細胞診では,粘液状物質を取り囲むように腫瘍細胞が集塊をなし,典型的な腺様囊胞癌の細胞像であった.乳腺腺様囊胞癌の診断で乳房温存術を施行し,組織学的にも真の腺管と偽囊胞から成る特徴的な像がみられた.乳腺原発の腺様囊胞癌は予後が良好であるため,その特徴的な細胞像を理解することは,術前診断の精度向上と適切な治療の選択に有用であると考えられる.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.