Japanese
English
臨床報告
抗TNFα療法中に臍ヘルニア手術を契機として発見された結核性腹膜炎・胸膜炎の1例
A case of anti TNFα therapy-induced tuberculous peritonitis/pleuritis detected during an operation for aggravating umbilical hernia
李 俊尚
1
,
土居 崇
1
,
鈴木 秀明
2
Lee Toshihisa
1
1市立大洲病院外科
2国立病院機構愛媛病院外科
キーワード:
結核性腹膜炎
,
結核性胸膜炎
,
関節リウマチ
,
抗TNFα療法
,
臍ヘルニア
Keyword:
結核性腹膜炎
,
結核性胸膜炎
,
関節リウマチ
,
抗TNFα療法
,
臍ヘルニア
pp.987-990
発行日 2011年7月20日
Published Date 2011/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103654
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要旨
抗TNFα療法は関節リウマチ(RA)において強力な関節破壊阻止作用を示すが,稀な合併症として結核が挙げられている.今回,同療法によって結核性腹膜炎・胸膜炎を発症した1例を経験した.患者は61歳,女性で,RAに対して6か月前から抗TNFα製剤の使用中であった.数日前から臍ヘルニア部の膨隆が増強し,入院した.内容は嵌頓大網であったが,発熱と腹水が出現し,緊急手術を施行した.腹膜面に癌性腹膜炎様の多発性粟粒結節をみたが,腫瘍や穿孔は認めず,嵌頓部大網切除および臍ヘルニア修復を行った.術後4日目に胸水が出現し,腹水,胸水のPCR検査で結核性腹膜炎・胸膜炎と診断した.抗結核療法によって軽快し,術後2か月目に退院した.
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