特集 総合診療医のための結核診療Update
【結核診療のピットフォール】
結核性胸膜炎
倉原 優
1
1国立病院機構近畿中央胸部疾患センター内科
キーワード:
結核性胸膜炎
,
アデノシンデアミナーゼ(ADA)
,
胸膜生検
,
胸腔鏡
Keyword:
結核性胸膜炎
,
アデノシンデアミナーゼ(ADA)
,
胸膜生検
,
胸腔鏡
pp.1104-1107
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414200105
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Case
胸水の精査目的で紹介受診した1例
患者:61歳,男性.
既往歴:幼少期に結核に罹患.
現病歴:発熱で近医を受診した際,右胸水を指摘された.胸水穿刺や胸部CT検査などで精査されたが,胸水の一般細菌・抗酸菌の塗抹検査および培養検査は陰性で,胸水はリンパ球比率やADA(J1)が上昇している以外に有意な所見は得られなかった.結核の既往歴を反映してQuantiFERONⓇは陽性であったが,喀痰や胃液の抗酸菌の塗抹検査は陰性だった.当院に紹介後,局所麻酔下で胸腔鏡検査を行ったところ,壁側胸膜の生検検体の培養検査で結核菌が検出されたため,結核性胸膜炎と診断された.
6カ月の抗結核薬の内服によって軽快した.
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