交見室
BISモニター,もう使っていますか?
出口 浩之
1
Hiroyuki DEGUCHI
1
1ときわ病院外科
pp.500
発行日 2011年4月20日
Published Date 2011/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103514
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麻酔深度の客観的な指標として脳波をモニターしようとする試みはこれまでも行われてきた.しかし,それが臨床に応用されるに至らなかったことは周知のことである.その理由は,全身麻酔中に脳波を記録すること自体が煩雑であり,特にリアルタイムに表示・解析することが困難であったことと,心電図や人工呼吸器などによるノイズが多く,したがって,通常以上の脳波解析の知識が要求されていたためである1,2).
しかし,bispectral index(BIS)の登場によって麻酔中の鎮静度を数値化して表示することが可能となり,瞬時に計測できるようになった1).BISモニターとは,この脳波解析装置を使って行う中枢神経系モニターのことであり,本当に便利な器械ができたものである.主に手術麻酔時や集中治療室の患者の前頭部脳波を増幅し,スペクトラル解析によって0~100の数値で表示する装置である.ちなみに100は完全覚醒,100~90は覚醒状態,80~60は鎮静で,全身麻酔では60~40の間の催眠状態で維持することが推奨されている.なお,0は脳波停止を指す.
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