Japanese
English
臨床報告
上部消化管造影後に生じた,器質的大腸疾患を持たない下行結腸穿孔の1例
Descending colon perforation without organic disease following upper gastrointestinal radiography:a case report
中川 博道
1
,
小野 仁志
1
,
宮内 勝敏
1
Hiromichi NAKAGAWA
1
1西条中央病院外科
キーワード:
バリウム
,
結腸穿孔
,
上部消化管造影
Keyword:
バリウム
,
結腸穿孔
,
上部消化管造影
pp.1601-1604
発行日 2010年11月20日
Published Date 2010/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103335
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要旨:上部消化管造影後に生じた,器質的疾患を持たない結腸穿孔例を経験した.患者は80歳,女性.上部消化管も造影後2日目に急激な腹痛が出現し,腹膜刺激症状と腹部CT検査でバリウムの腸管外漏出を認めたため,緊急手術を施行した.バリウムを混じた多量の糞塊が存在し,下行結腸に約3cmの穿孔部を認めた.多量の生理食塩水で洗浄したのち,穿孔部を人工肛門として挙上した.残存するバリウムによると思われる炎症反応の遷延を認めたが,対症療法で軽快した.大腸内視鏡検査では明らかな異常は認めず,8か月後に人工肛門を閉鎖した.検査後の処置方法や腸管外に漏出したバリウムの対応などにつき,若干の文献的考察を加えて報告する.
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