昨日の患者
最期のパフォーマンス
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.1375
発行日 2010年10月20日
Published Date 2010/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103213
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- 文献概要
テレビドラマや映画での最期は劇的で,感動的に終わることが多い.一方,病院で繰り広げられる普遍的な最期は血圧が低下し,呼吸が浅く緩やかになる.そして蝋燭が消えるがごとく無呼吸となり,脈が触れなくなる患者さんが多い.しかし,稀には劇的な死を迎える患者さんも存在する.
Tさんは大腸癌で手術を受けた.進行期の癌ではあったが,90歳代と高齢なため癌化学療法は行わなかった.術後経過は良好であったが,手術の2年後に食欲不振で来院した.CT検査を行うと,腹水と多発性のリンパ節転移を認めた.そこで入院していただき,補液と利尿剤を投与した.
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