昨日の患者
人生最期の大冒険
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.66
発行日 2018年1月20日
Published Date 2018/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211909
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- 文献概要
老いて認知症となりながらも,人は過去を懐かしみ,昔の誼を辿りたくなるものである.認知症に加え癌末期で食事も満足に取れないながら,50年ほど前の学生生活を懐かしみ,逝去1か月前に遠方の親友を訪ね回った患者さんを紹介する.
70歳代前半のKさんは,10年ほど前に胃切除術を行った.そして60歳代後半から認知症が生じ,施設に入所していた.さらに飲み込むことが困難となり,食道癌と診断された.しかも周囲リンパ節転移,さらには多発性の骨転移や肝転移を認めた.認知症もあるため,対症療法を行った.
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