Japanese
English
臨床報告
膵囊胞性腫瘍と鑑別が困難であった仮性囊胞を伴った浸潤性膵管癌の1例
A case of invasive ductal pancreatic carcinoma with pseudocysts
足立 尊仁
1
,
松井 康司
1
,
種村 廣巳
1
,
大下 裕夫
1
,
岩田 圭介
2
,
山田 鉄也
3
Takahito ADACHI
1
1岐阜市民病院外科
2岐阜市民病院消化器内科
3岐阜市民病院臨床検査部
キーワード:
仮性囊胞
,
浸潤性膵管癌
Keyword:
仮性囊胞
,
浸潤性膵管癌
pp.1187-1191
発行日 2010年8月20日
Published Date 2010/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103169
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要旨:症例は60歳,男性.2か月前から上腹部・背部痛を認め当院を受診した.腹部画像所見より,膵体部の径70mm大の囊胞腺腫あるいは囊胞腺癌と診断した.病巣は膵体部を中心に,胃後壁に広範囲に進展,さらに結腸間膜およびTreitz靱帯付近の空腸が巻き込まれていた.亜全胃,横行結腸部の一部,十二指腸・空腸の一部,脾臓を合併切除し,尾側膵切除を施行した.術中所見では,明らかな腹膜転移は認めなかった.病理組織学的検査結果は,高分化型管状腺癌,ly0,v0,ne0,mpd(-),pPCM(-),pDPM(-),pN0であり,一部囊胞状の部分を認めた.胃壁や小腸とは膿瘍形成を伴い,線維性・炎症性に癒着していたが,悪性細胞は認めなかった.
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