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特集 腹壁瘢痕ヘルニア治療up date
大腿筋膜を用いた腹壁瘢痕ヘルニア修復術
Abdominal hernia repair using the fascia lata
多久嶋 亮彦
1
,
波利井 清紀
1
Akihiko TAKUSHIMA
1
1杏林大学医学部形成外科
キーワード:
腹壁瘢痕ヘルニア
,
移植
,
大腿筋膜
Keyword:
腹壁瘢痕ヘルニア
,
移植
,
大腿筋膜
pp.950-955
発行日 2010年7月20日
Published Date 2010/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103115
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要旨:腹壁瘢痕ヘルニアは,ヘルニアの部位,大きさ,周囲組織の状態が症例ごとに大きく異なっているが,大腿筋膜を用いた修復方法は,術野の細菌汚染が考慮されるような場面を含めて,あらゆる状況下での使用が可能である.筋膜を採取するという手間はかかるものの,人工物を用いる場合と違い,術後の感染や露出の可能性もほとんどない.筋膜採取部の大腿外側には軽度の感覚障害が残るが,大きな機能障害もない.さらに,修復術後に生じるイレウスなどの合併症率も他法と比較して遜色はなく,筋膜と腸管などが強く癒着することはないと考えられる.したがって,大腿筋膜を用いたパッチによる腹壁瘢痕ヘルニアに対する修復方法はきわめて汎用性が高く,有用である.
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