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北京で開催された第19回International Association of Surgeons,Gastroenterologist,and Oncologists(IASGO)に出席してきました.学会は,昨年の北京オリンピックのメインスタジアムのすぐそばにあるconvention centerで開催されました.北京オリンピックに因んだのか,今回は“International Surgical Olympics”ということで,ビデオセッションで様々な手術が提示されていました.印象深かったのは,腹腔鏡下手術の提示が非常に多く,さらにrobotic surgeryが広く扱われていた点です.中国で開催されたために,特にアジアから多くのrobotic surgeryの発表がありました.今後開始される予定の腹腔鏡下手術とrobotic surgeryとを比較する臨床試験も紹介され,日本の現状とは大分違うと感じました.
わが国ではこの段階まで至っていないのが現状ですが,このような状況のなか,腹腔鏡下手術はよりその重要性が増していくものと考えられます.今号ではそんな腹腔鏡下手術に関して,「もう一歩のステップアップのために」と題して特集を組みました.これまで,腹腔鏡手術に関しては様々な特集が組まれています.しかし本特集では,「ある程度腹腔鏡下手術は施行してきている外科医が,もう一歩上達するコツ・ポイントは何か」という点に焦点をあて,各分野のご専門の先生方に執筆していただきました.アプローチの仕方は各執筆者によって異なっていますが,術者,助手,スコピストがどうすればステップアップできるのかを解説していただいています.さらには技術認定試験の対処法についてもご執筆いただいた分野もあります.今後の腹腔鏡下手術の上達のために,本特集がお役に立てることを期待しております.
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