Japanese
English
臨床報告
ヘルニア腫瘍を合併した進行胆囊癌が疑われた1例
A case of suspected advanced gall bladder carcinoma complicated with a hernial tumor
坂口 博美
1
,
藍澤 喜久雄
1
,
松下 明正
1
,
熊木 俊成
1
,
久保 周
1
,
春日 好雄
1
Hiromi SAKAGUCHI
1
1長野県厚生連長野松代総合病院外科
キーワード:
鼠径ヘルニア
,
ヘルニア腫瘍
,
胆囊癌
Keyword:
鼠径ヘルニア
,
ヘルニア腫瘍
,
胆囊癌
pp.1623-1627
発行日 2009年11月20日
Published Date 2009/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102889
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要旨:患者は70歳,男性.左鼠径ヘルニアの診断で紹介された.通常のヘルニアと異なり,鼠径部に2.0×1.5cmの無痛性,非還納性の硬い腫瘤を触知し,血液検査では胆道系酵素の上昇とCEA,CA19-9の上昇を認めた.CT検査では鼠径管内の腫瘤影および胆囊頸部とその近傍の肝臓に腫瘤影を認めた.ほかに悪性腫瘍を示唆する所見はなく,胆囊癌の鼠径部転移を疑った.診断確定のため手術を施行したところ,腫瘤をヘルニア内容とする鼠径ヘルニアであった.摘出した腫瘤は病理組織学的には腺癌であった.以上から,ヘルニア腫瘍を合併した進行胆囊癌の疑いと診断した.ヘルニア囊に腫瘤を触知するときは,悪性腫瘍または悪性腫瘍の腹膜播種巣を考慮して術前診断を進める必要がある.
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