特集 できる!縫合・吻合
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
3.胃
幽門側胃切除後の空腸パウチの縫合・吻合
滝口 伸浩
1
,
永田 松夫
1
,
島田 英昭
1
,
貝沼 修
1
,
早田 浩明
1
,
趙 明浩
1
,
郡司 久
1
,
池田 篤
1
,
宮崎 彰成
1
,
山本 宏
1
Nobuhiro TAKIGUCHI
1
1千葉県がんセンター消化器外科
pp.141-145
発行日 2009年10月22日
Published Date 2009/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102780
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はじめに
幽門側胃切除後の再建法はBillroth Ⅰ法が最も頻用される術式であるが,残胃が小さい場合は十二指腸液逆流に起因する障害を避ける目的でRoux en Y再建も広く行われている.しかし,小胃症状や停滞,下痢,ダンピングなどの胃切除後障害がみられる1).小胃症状を回避する方法として,1949年にSteinberg2)が胃亜全摘後の空腸パウチ再建を試みた.近年は自動縫合器や自動吻合器の開発によってquality of life(QOL)の向上を目指した術式として空腸パウチ間置再建術が行われるようになっている3,4).
われわれも残胃が1/4より小さくなる症例に対して,三輪ら3)が提唱した幽門側胃切除後の空腸パウチ間置再建法(jejunal pouch interposition:JPI)をmodifyした術式を採用している.本術式は十二指腸を通る生理的な食物ルートを維持し,二重腸管となる空腸パウチがリザーバー機能を確保して小胃症状やダンピングを防止する.また,順蠕動の導管を有するので,残胃逆流を予防する術式でもある3).
本稿では,幽門側胃切除術での空腸パウチの縫合・吻合について,手技の実際とポイントについて述べる.
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