特集 縫合・吻合法のバイブル
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
5.胃
幽門側胃切除後の手縫いによる胃—空腸吻合
才川 義朗
1
Yoshiro SAIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.178-181
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903362
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
1881年にChristian Albert Theodor Billrothが,世界で初めて,いわゆるBillroth Ⅰ法と呼ばれる再建術式を用いて胃切除に成功した.その4年後1885年に,幽門側胃切除・十二指腸断端閉鎖,残胃前壁に空腸を吻合する再建術式が試みられた1).Billroth Ⅱ法(B—Ⅱ法)と総称される再建術式は,この残胃前壁—空腸吻合をオリジナルとし,数々の修飾・変更が施されてきたが,広義としては幽門側胃切除および十二指腸断端閉鎖後,空腸の切離がなく,残胃—空腸を吻合する再建術式とされている.その変法として,Polya法(残胃断端全周を用いた胃—空腸吻合),Hofmeister変法(大彎側に吻合口を設定する)などが代表的である1).現在,後者が一般的に用いられており,幽門側胃切除後の手縫いによる胃—空腸吻合として,ここにその術式を示す(図1).
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.