特集 できる!縫合・吻合
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
3.胃
幽門側胃切除後の器械による胃-空腸吻合
山口 浩和
1
,
上西 紀夫
1
Hirokazu YAMAGUCHI
1
1公立昭和病院外科
pp.137-140
発行日 2009年10月22日
Published Date 2009/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102779
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はじめに
幽門側胃切除後の再建にはBillroth Ⅰ法,Billroth Ⅱ法,Roux-en-Y法,空腸間置法などが行われている.再建の単純さ,簡便さからBillroth Ⅰ法が広く行われてきたが,縫合不全がほぼないことや,十二指腸液の逆流がなく残胃炎,食道炎がみられないことからRoux-en-Y法も増えてきている.空腸間置法は再建手技がやや煩雑であるが,食物の生理的流出経路を保ちつつ十二指腸液の胃への逆流を予防する.
自動縫合器や吻合器による吻合の成績は安定しており,手縫いによる吻合に比べて術者間の差がないことから,幽門側胃切除後の再建でも広く使われるようになっている.また,腹腔鏡下胃切除の広がりも,吻合を器械で行うことが多くなったことの一因と思われる.
胃-空腸吻合はRoux-en-Y法,空腸間置法で行われるが,本稿では縫合器を用いた側々吻合とcircular staplerを用いた吻合を解説する.
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