特集 縫合・吻合法のバイブル
Ⅲ.部位(術式)別の縫合・吻合法
5.胃
幽門側胃切除後の空腸パウチの縫合・吻合(器械・手縫い)
才川 義朗
1
Yoshiro SAIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部外科
pp.185-188
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903364
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はじめに
空腸パウチは代用胃として胃切後の各種愁訴の改善を目的とする.胃亜全摘後の再建としての空腸パウチは1949年にSteinbergらにより試みられた1).当初はすべての吻合が手縫いであり,その煩雑さとその合併症により広く普及はしなかった.しかし器械吻合器の改良により,吻合部位の多い本術式の安全性,簡便性,迅速性が確保され,臨床的に消化機能再構築・術後のQOL向上の面で良好な結果が得られるようになり,標準再建術式の1つとなってきた.ここでは,再建方法として二重空腸嚢ダブルトラクト法および空腸パウチ間置法につき簡潔に触れ,本題として,空腸パウチの作製方法と幽門側胃切除後残胃—空腸パウチ吻合につき記した.
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