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特集 消化器外科における経腸栄養の意義と役割
消化器外科周術期合併症の予防と合併症発症後の治療における経腸栄養の役割
Role of enteral nutrition for prevention and treatment of postoperative complications in gastrointestinal surgery
櫻井 洋一
1
,
稲葉 一樹
1
,
礒垣 淳
1
,
谷口 桂三
1
,
金谷 誠一郎
1
,
宇山 一朗
1
Yoichi SAKURAI
1
1藤田保健衛生大学医学部上部消化管外科
キーワード:
消化管癌外科手術
,
周術期管理
,
早期経腸栄養
,
栄養投与ルート
Keyword:
消化管癌外科手術
,
周術期管理
,
早期経腸栄養
,
栄養投与ルート
pp.1345-1351
発行日 2009年10月20日
Published Date 2009/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102715
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要旨:近年,消化器外科手術における周術期栄養管理に関するエビデンスが蓄積されている.消化器外科患者の周術期においては術前に栄養状態不良の症例も認められ,中等度以上の侵襲を伴う手術を施行した場合には術後合併症が発生するリスクが高い.消化器外科術後合併症の予防には術前の栄養状態の改善と適切な周術期栄養管理が重要であり,合併症発症のハイリスク症例に対しては,適切な栄養素を含有した経腸栄養管理が有用である.術後合併症をきたした場合でも,適切な栄養投与ルートを用いた経腸栄養管理により合併症からの早期回復を促すことが可能である.すなわち適切な周術期栄養管理とは,①早期経口摂取の促進と合併症発症のハイリスク症例の選択,②適切な経腸栄養投与ルートの選択,③経腸栄養剤の適切な選択と投与量の決定であり,栄養状態改善によるQOLの向上が可能となると考えられる.
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