Japanese
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特集 炎症性腸疾患外科治療のcontroversy
〔潰瘍性大腸炎に対する最適な外科治療とは?〕
全大腸切除術:1期手術か2期・3期手術か
1期手術の立場から
Restorative proctocolectomy without diverting ileostomy for ulcerative colitis
池内 浩基
1
,
内野 基
1
,
中村 光宏
1
,
松岡 宏樹
1
,
冨田 尚裕
1
Hiroki IKEUCHI
1
1兵庫医科大学外科学講座下部消化管外科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
1期的手術
,
術後合併症
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
1期的手術
,
術後合併症
pp.581-586
発行日 2009年5月20日
Published Date 2009/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102552
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要旨:術式の進歩によって,潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:以下,UC)においても1期的な手術が可能になってきている.UCに対する1期的手術は2期分割手術と比べて在院日数の短縮や医療費の軽減に寄与している.また,術後合併症においても有意差を認める要因はなく,術後のパウチ機能率も同程度である.術後の排便機能は排便回数,便の漏れ,ガスと便の区別なども術後3か月で日常生活に不便がない程度に回復している.2期分割手術では人工肛門閉鎖を初回手術後3か月目の前後に行っていたことを考慮すると,対象症例の選択を十分に行えば,1期的な手術は安全に行うことができる術式であると思われる.デメリットとしては術後の肛門周囲の疼痛管理が必要なことがあるが,これは術後2か月を経過するとなくなる.
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