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特集 脾臓をめぐる最近のトピックス
特発性血小板減少性紫斑病に対する腹腔鏡下脾臓摘出術
Laparoscopic splenectomy for idiopathic thrombocytopenic purpura(ITP)
田村 晃
1
,
金子 弘真
1
Akira TAMURA
1
1東邦大学医療センター大森病院消化器外科
キーワード:
ITP
,
腹腔鏡下脾臓摘出術
,
腹腔鏡下手術
Keyword:
ITP
,
腹腔鏡下脾臓摘出術
,
腹腔鏡下手術
pp.491-496
発行日 2009年4月20日
Published Date 2009/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102532
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要旨:特発性血小板減少性紫斑病(以下,ITP)患者に治療効果のある摘脾の意義は大きく,ITP治療ガイドラインにおいても摘脾は重要な位置を占めている.一方,1992年にわが国で初めて施行された腹腔鏡下脾臓摘出術は,低侵襲性と安全性から今や脾腫のない良性疾患に対し第一選択の術式ともいわれている.ITPは腹腔鏡下脾臓摘出術の最もよい適応であり,実際わが国で施行された腹腔鏡下脾臓摘出術の約半数がITPに対してのものであった.脾腫のないITPにおいての腹腔鏡下脾臓摘出術の手技は比較的容易であるといわれている.しかし出血,術後膵炎,門脈血栓などの重症合併症に常に留意せねばならない.ITPに対する腹腔鏡下脾臓摘出術は,その低侵襲性と安全性から標準術式といわれるまでになってきているが,さらなる普及と合併症防止のため,手術手技や器材の改良が求められる.
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