Japanese
English
特集 脾臓をめぐる最近のトピックス
外傷性脾損傷に対する治療方針
Therapeutic strategy for traumatic splenic injuries
樽井 武彦
1
,
山口 芳裕
1
Takehiko TARUI
1
1杏林大学医学部付属病院高度救命救急センター
キーワード:
腹部鈍的外傷
,
脾温存療法
,
TAE
,
遅発性脾破裂
,
脾摘後重症感染症
Keyword:
腹部鈍的外傷
,
脾温存療法
,
TAE
,
遅発性脾破裂
,
脾摘後重症感染症
pp.497-502
発行日 2009年4月20日
Published Date 2009/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102533
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要旨:脾臓は腹部鈍的外傷の際にもっとも損傷頻度の高い臓器の1つで,初発症状として左季肋部痛や腹腔内出血が多い.最近ではTAEや脾温存手術などの脾機能温存が主流である.まず初期輸液に対する反応をみて,non-responderに対してはCTを行わず緊急開腹術を行い,必要のある場合には摘脾を行う.Responderには腹部造影CTを行い,造影剤の血管外漏出や仮性動脈瘤を認めた場合,あるいはⅢ型の損傷にはTAEを行う.脾損傷後には遅発性脾破裂,仮性動脈瘤,脾膿瘍,左横隔膜下膿瘍などの合併症に注意し,中等度以上の脾損傷に対しては,約3週間の腹部CTを中心とした経過観察が必要となる.摘脾後にはOPSIの発症に注意する.
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