Japanese
English
特集 脾臓をめぐる最近のトピックス
生体肝移植過小グラフト例における脾動脈結紮および脾摘の意義
The significance of splenic arterial ligation and splenectomy for small-for-size living-donor liver transplantaion
佐藤 好信
1
,
山本 智
1
,
大矢 洋
1
,
中塚 英樹
1
,
小林 隆
1
,
原 義明
1
,
渡辺 隆興
1
,
小海 秀央
1
,
畠山 勝義
1
Yoshinobu SATO
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科
キーワード:
過小グラフト
,
shear stress
,
肝再生
,
脾動脈結紮術
,
脾摘出術
,
門脈大循環シャント
Keyword:
過小グラフト
,
shear stress
,
肝再生
,
脾動脈結紮術
,
脾摘出術
,
門脈大循環シャント
pp.477-489
発行日 2009年4月20日
Published Date 2009/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102531
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要旨:成人生体肝移植の過小グラフトにおける肝障害においては,単純に物理的な力である過剰なshear stressが原因となって,ビリルビン代謝の中心であるHO(heme oxygenase-1)-CO systemに影響し,直接ビリルビン優位の高ビリルビン血症を呈する.これらを改善するには,過剰なshear stressを緩和してやる必要がある.その外科的手段として脾動脈結紮,脾摘,そしてporto-caval shunt(門脈下大静脈シャント術)がある.脾動脈結紮の効果が一時的であること,脾摘には出血や門脈血栓のリスクがあることなど,それぞれの合併症も踏まえ,グラフト体重比や門脈圧亢進症の程度を鑑みて相応しい手技を選択すべきである.
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